音が 聞こえる |
『音が聞こえる』 by 天辰保文さん(文)/高木あつ子さん(写真)
2002年から去年まで、雑誌・CDジャーナルに連載されていた記事を1冊にまとめたもの。
アーティストたちの生活に寄り添う、彼らが持っている「想い出の品」にスポットライトを当てて、写真と、それにまつわるお話が綴られている。
昨晩は、渋谷で出版記念のイベントへ。
掲載された写真を見たり音楽を聴きながら、著者のお2人と編集担当の方が、取材や本の制作にまつわるエピソードを語るという楽しい3時間でした。
会場のLi-poは、東横線の線路沿いのビルの2F、街の喧騒をよそに、いつも穏やかなよい空気が流れている四角い空間。
加藤和彦さんがハロッズで買って日本へ運んだ椅子
カーネーションの直枝さんの初楽器ウクレレ、
大貫妙子さんがお父様からもらったという古い目覚まし時計、
おおはた雄一さんの、大切な箱、
ジョー・ヘンリーの生ギター etc.etc.
ひとつひとつの品に垣間見える、音楽家の生活の中にあった、大切なひとこま。
天辰さんの心のこもった文章と、高木さんの匂いたつような写真から伝わってくる、アーティストそれぞれの、一個人としての「小さな人生」。
ページをめくるたび、そのいとおしさを、ひしひしと感じるのでした。
たくさんの人が、手に取ってくれるといいな。
『音が聞こえる』
本日発売 音楽出版社刊 ¥1,050(税込)